桃から生まれなかった桃太郎
男は、たえの小さな体に満ちた好奇心に心を奪われていました。

自分の他愛ない話を、

吸い寄せられるように聞くたえの姿を、

愛おしいと思いました。

村の暮らしに閉じ込められた、

この小さな小鳥が、大空に羽ばたいたら・・・。

どんな顔をして喜ぶだろうと、男は想像しました。


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