桃から生まれなかった桃太郎
サルは微笑みました。

「おや、雨が止んだようだ。お先に失礼するよ。

そういえばこの川上の村で聞いた話だが、

鬼と人間の女が一緒にいるところを見た人がいるらしい」



サルは太郎を残して立ち去りました。

一人残された太郎は、自分の言葉をかみしめていました。


「おれは、自分の幸せのために、本当の自分を知るのだ」
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