図書館からはじまる



「で、逮捕されたやつは?」


「あ、私を含めて2、30人の人が詐欺にあっていたそうで、しかも、偽名を使っていたんです」



「実は、ちょっと前に知ってたんだ。同級生の子がのっぽさんと同じことされてさ」


「そうだったんですか?」


「だって、ずっと俺のこと避けてただろ?」


「あ…」


あの時、薗田さんの言葉にのろうか悩んでた。


ブレずに太田さんのことを思っていれば、こんなことにならなかったのに…


「お金とか返ってこないの?」


「わからないんです」


「弁護士紹介しようか?」


流石だな…そんなこと考えもつかなかった。


「はい。お願いします」


「わかった。明日にでも知り合いの弁護士に話しておくよ」


「すみません。ありがとうございます」


なんだか、住む世界が違うのかな…なんて思ってしまう。


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