図書館からはじまる
家が近づくにつれて、まだ一緒にいたい。
もう少し手を繋いでいたいという気持ちが出てきた。
「もう少し一緒にいたい」
「え?」
「そこの公園で座らない?」
家の近くの公園のベンチに座った。
座っても手は繋いだままだった。
「なぁ、のっぽさんは俺のことどう思う?」
「ど、どう思うって言われても…」
「好き?……嫌い?」
え?そんなこと…
好きに決まってる…
でも…
「か、彼女いますよね?」
声が震えて、小さい声になった。
「前はね…」
「え、だって有紗さんは?」
「別れたよ。一ヶ月前ぐらいに」
え?本当に?
「本当の本当に?」
「ああ」
「でも、あの時女の人と腕組んで歩いてましたよね?」
「あぁ、あれは保の妹で、保の親父さんの誕生日会に誘われてたんだ。駅で偶然あゆみに会ったんだ。妹の名前ね。毎年盛大にするんだ。」
彼女と別れて、更に以前腕を組んで歩いていた人は、保さんの妹…
「誤解とけた?嬉しいな、気にしてくれてたんだ」
「…」
よかった…
その瞬間目の前が真っ暗になった。
え?
キス?
された…