図書館からはじまる



寝る前にたえちゃんからメールがきた。


“変な男の人に着いて行っちゃダメだよ!!顔じゃなくて、内面を見るように!!”


“はい。わかりました”


たえちゃんは、本当に私のことを心配してくれている。


10年前もそうだった。


バイトに行く前に賭けの対象だと知った日、バイトは休み、その足でたえちゃんの家に行った。


その時、涙は出なかった。


何も考えずにたえちゃんの家に着き、たえちゃんの顔を見た瞬間に涙が溢れてきた。


たえちゃんは、何も言わずに家に入れてくれた。


そして、私が泣き止むのを待ってくれた。


「スッキリした?」


「…」


私は、無言で首を横に振った。


「涙流したんだから、水分補給してください」


と、ジュースを出してくれた。


「ありがとう」


ジュースを飲み干し、フーっと深呼吸した。


そして、たえちゃんに全て話した。


すると、たえちゃんは私よりも大泣きし、二人で泣いた。



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