図書館からはじまる



離したくない…


ずっと、抱き合っていたい…


瞳子を肌で感じていたい…


いや、けど今日はここまで…


俺の理性があるうちに…


「帰ろうか?」


「うん」


また、瞳子の手を握って歩き出した。


手を繋ぐだけで、胸の高鳴りがすごい。


今までこんなことはなかった。


初めてこんな感情を抱いた。


「あっ、そうだ名前の呼び方、宗輔でいいから」


瞳子に、「太田さん」じゃなくて下の名前で呼んでほしい。


「急にそんな…呼べません…」


「じゃあ、ゆっくり呼んでくれる?けど、なるべく早めにね」


「はい」


そんな話をしながら歩いていると、もう瞳子の家に着いてしまった。


愛おしい瞳子に、また会えるようにキスをした。


「瞳子、好きだ」


俺は、思わず口走っていた。


「私も好きです。宗輔さん…」


ん?今、小さかったけど、なんとなく聞こえた。


けど…


「え?最後が聞こえない」


「もう、一回しか言いません」


「うそ。聞こえてたよ。ありがとう。じゃあ、またな」


「うん。気をつけてね」


本当はもっと、もっと一緒にいたい。


また、今度会った時までお預けだ。



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