図書館からはじまる
『すぐ行くよ!!病院は?』
病院を聞いて、電話を切った。
心配そうな顔をしてた瞳子に駆け寄った。
「大丈夫ですか?」
「じ、じいちゃんが…」
「元さんどうかされたんですか?」
「た、倒れた…」
「え?元さんが?どこの病院ですか?」
「東病院…」
「早くいかなきゃ!私も行っていいですか?車運転出来ますか?」
「ああ…それぐらいは…」
俺は、気が動転していて、何をしていいかわからない…
瞳子が俺を支えてくれていたのは、はっきりわかった。
病院に着き、父は、気丈に振舞っていた。
姉が目を腫らして泣きじゃくっている。
その側には、旦那さんの弘さんと宝がいる。
「じいちゃんは…?」
「今、手術中」
弘さんが教えてくれた。
「あっ…のっぽちゃん!」
「瞳子ちゃんも来てくれたの?」
「すみません…お邪魔して…」
「瞳子は、じいちゃんの親友の富一郎さんの孫なんだ」
「え?そうだったの?」
「笹倉さんの…宗輔の父の正一です」
「あっ、笹倉瞳子と申します!」
「で、じいちゃんは?」
「大丈夫だ、軽い脳梗塞らしい…少し左半身に麻痺が残るみたいだ」
「意識とかは?」
「ああ、はっきりしてた。発見したのが早かったからな…」
「倒れたっていうから…」
「美里も気が動転してたからな」
父は、大丈夫だと俺に言った。