図書館からはじまる



手術が終了し、祖父が出てきた。


まだ、麻酔が効いていて、眠っている。


担当医によると、先程父が言ったような内容だった。


皆、祖父の寝顔を見て安心し、父を残して病室を出た。


「ねぇ〜宗輔、どうして瞳子ちゃんと一緒にいるの?」


突然、姉の質問が始まった。


「あっ、瞳子ごめん」


俺は、瞳子のことを放ったらかしにしていた…


瞳子を俺の横に呼び、改めて紹介した。


「じいちゃんが、こんなことになってる時になんだけど、俺たちの付き合ってます」


「そういうことね…」


「じいちゃんと富一郎さんにも勧められたからな…」


「おじいちゃんたち粋なことするわね」


「ああ、そうなんだよ」


「瞳子ちゃん、こんなバカ弟だけど、よろしくね」


「はい」


「じゃあ」と言って、姉家族は帰って行った。



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