図書館からはじまる
「瞳子、今日は本当にありがとう」
「私は、ただ付き添っただけです」
「いや、瞳子が横に居てくれるだけで安心したんだ」
二人で車に乗った。
俺は安心したのか、無意識に涙を流していたらしい…
すると、瞳子がハンカチで俺の涙を拭いてくれた。
「ごめん…」
「幾らでも泣いてください」
「うん」
「安心したんですね…元さんならきっと大丈夫!」
「そうだな!」
「はい」
瞳子は、俺に安心感と笑顔をくれた。
「飯、また今度作ってくれる?」
「もちろんです」
「送るよ」
「一人で大丈夫ですか?私、一緒に居ますよ」
瞳子は、優しくそう言ってくれた。
「ありがとう。今日だけ一緒に居てくれる?」
「わかりました」
家に彼女を入れるのは初めてのことだった。
瞳子は、一晩俺の横にいて淋しさを紛らわしてくれた。
気がつくと眠っていて、瞳子に起こされた。
「私、帰りますね」
「あ、送るよ」
「大丈夫ですよ。近いので」
「ごめん。ありがとう」
「今日も元さんのところに行かれますか?」
「ああ」
「私も、仕事終わりに向かいます」
「俺も、それぐらいに行くよ」
「じゃあ、また」
「本当にありがとう」
瞳子は帰って行った。