図書館からはじまる
〜11〜



☆ ☆ ☆

翌日、出勤する途中で櫻子さんに出会った。


「瞳子さん、おはようございます」


明らかに、様子が違う…


何か、私に聞いてくださる?
って言う感じで櫻子さんが挨拶してきた…


「お、おはようございます…」


「ふふふ」


「な、何か良いことでもあったんですか?」


「瞳子さん、聞いてくださるんですか?」


少し強引に櫻子さんが私の腕を掴んだ。


「わ、私…」


「はい…」


櫻子さんが急に真っ赤になった。


なんか、照れてる櫻子さん可愛い!


「あの…た、保さんとつ、つ、付き合うことになりました…」


「そ、そうなんですか?」


「はい」


「おめでとうございます!河野さんからですか?」


「いいえ…私から言いました」


「え?本当ですか?」


「はい」


「あんなに逃げてたのに?」


「はい。ただ、焦らしてただけです…」


「私は、気付いてましたけどね」


「そうだったんですか?」


櫻子さんは、本当に幸せそうに笑っていた。


「ところで、瞳子さんはどうなったんですか?宗輔さんと…」


「…」


私は、その話になると櫻子さんよりも早足になり、黙々と歩いた。


「ちょ、ちょっと!瞳子さん!待ってください!私も言ったんですから瞳子さんも言ってくださいよ〜」


私は、逃げ切れず櫻子さんに、また腕を掴まれた。


「はい、正直に答えてください」


「…わかりました」


「で、どうなったんですか?」


「……付き合うことになりました」


「本当ですか?」


「はい」


「よかった!私も知ってたんです。瞳子さんの気持ちも、宗輔さんの気持ちも…」


「え?そうなんですか?」


「私だけが、二人が両想いだってこと知ってたんですね。なんか本当に嬉しいです。」


「ありがとうございます」


まさか、櫻子さんが知ってたとは…



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