図書館からはじまる


デートの日。


宗輔さんは、時間通りに来てくれた…


私は、少しもたついて…


後もう少しってところで、祖母に「瞳子ちゃん早くしなさい」と言われた。


祖母は、今日宗輔さんに会えるのを楽しみにしていたらしく、久しぶりに会えるからと玄関で待っていた。


「瞳子もなかなかやるわね!あんな男前と付き合えるなんて…でもね、富一郎さんはもっと男前だったのよ。だから、元さんではなくて、富一郎さんと結婚したの」


と、自慢げに話していた。


何故か、こういう話になると必ず祖父のことを“富一郎さん”と呼ぶ。


ちなみに、普段は“おじいさん”と呼びます。


「宗輔さん、ごめんなさい」


「いや、俺が早く来ただけだから」


祖母は、笑顔で見送ってくれた。


宗輔さんは、私の祖母が好きなようだ。


祖母の話をすると優しい笑顔になる。


そして、宗輔さんと私がお付き合いをしていることを早速、祖父と祖母に話したことを喜んでくれた。


祖父が、「やっぱりそうなったか!!だから、元ちゃんとわしはいつでもOKだぞ」と言っていたことを話すと…


「嬉しいな!いつでも結婚できるってことだろ?」


え?え?え?


「け、結婚?!」


そんな、え?


もうでも、まだ付き合って一週間ぐらいしか経ってないのに…


「俺は、そのつもりで付き合ってるぞ」


「ええ…ああ…はぁ…」


嬉しすぎて、嬉しすぎて、舞い上がってしまう…


< 123 / 145 >

この作品をシェア

pagetop