図書館からはじまる
病院に着いて、受付でどこに運ばれたのか聞き、手術室があるところを教えてもらい、そこへ向かった。
宗輔さんのお父さんらしき人に会釈した。
そして、美里さん、旦那さん、宝ちゃんがいた。
「あっ…のっぽちゃん!」
「瞳子ちゃんも来てくれたの?」
「すみません…お邪魔して…」
「瞳子は、じいちゃんの親友の富一郎さんの孫なんだ」
「え?そうだったの?」
「笹倉さんの…宗輔の父の正一です」
「あっ、笹倉瞳子と申します!」
宗輔さんのお父さんとは、初対面だったので自ら自己紹介をした。
「で、じいちゃんは?」
「大丈夫だ、軽い脳梗塞らしい…少し左半身に麻痺が残るみたいだ」
元さん、脳梗塞なんだ…
心配…
祖父と祖母にも連絡しなきゃ…
手術が終了し、元さんが出てきたがまだ、麻酔が効いていて、眠っていた。
手術は成功して、山を超えたらしい。
そして、宗輔さんのお父さんを残して病室を出た。
「ねぇ〜宗輔、どうして瞳子ちゃんと一緒にいるの?」
突然、美里さんに聞かれた。
「あっ、瞳子ごめん」
宗輔さんは、私を横に呼んで、美里さんに報告した。
「じいちゃんが、こんなことになってる時になんだけど、俺たちの付き合ってます」
「そういうことね…」
「じいちゃんと富一郎さんにも勧められたからな…」
「おじいちゃんたち粋なことするわね」
「ああ、そうなんだよ」
「瞳子ちゃん、こんなバカ弟だけど、よろしくね」
「はい」
「じゃあ」と言って美里さんたちは帰っていった。
美里さんは、とても嬉しそうだった。