図書館からはじまる



宗輔さんの自宅に着いた。


少し、乱雑になっているところもあったけど、全体的には整っていた。


男性の一人暮らしだから、綺麗すぎても…


私は、報告も兼ねて自宅に連絡した。


元さんが脳梗塞で病院に運ばれ、手術が成功し、暫く入院しなくてはいけないこと、今日は心配だから宗輔さんの近くにいたいことを祖母に伝えた。


『ちゃんと支えてあげなさい』と祖母に言われた。


明日の朝に祖父と一緒に病院に行くと言っていた。


宗輔さんは、疲れていたのか、気がつくとソファで眠っていた。


何か掛けるものはないか?と寝室に「失礼します」と入った。


ベッドだけというとてもシンプルな寝室だった。


掛け布団を取って、リビングで眠っている宗輔さんに掛けた。


眠っている宗輔さんの横に座り、宗輔さんの寝顔を眺める。


綺麗な顔だな…


そう思っているとまた、胸の奥がザワザワからドキドキになる。


私は、思わず宗輔さんのほっぺにチュッとした。


その後、宗輔さんの寝顔に見惚れていたら、座りながらソファにもたれていつの間にか寝ていた…


首の痛さに目が覚めた。


あっ、宗輔さんの寝顔はまだ昨日のままだった。


今日は、仕事があるからそろそろ帰らなきゃ!


寝ていた宗輔さんをそっと起こして、帰ることを告げた。


「私、帰りますね」


「あ、送るよ」


「大丈夫ですよ。近いので」


「ごめん。ありがとう」


今日も、元さんのところに行くことを確認して私は、家に帰った。



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