図書館からはじまる
次の日、約束通りに仕事が終わってから、元さんの入院する病院へ向かった。
病室に行くと、美里さんが宝ちゃんと来ていた。
「こんばんは」
「こんばんは」
「あっ、のっぽちゃん」
「宝、大きい声出さないの」
「ごめんね、宝ちゃん。どうですか?元さんは?」
「今日の朝、目が覚めたの。今、ちょっと寝てるけど、もう起きるかな?」
「よかった!小さいんですけど、お花飾らせてもらってもいいですか?」
「ありがとう!おじいちゃん、喜ぶわ」
「花瓶も買って来たので、入れて来ますね」
「お願いね」
よかった!元さん目が覚めたんだ。
私は、花を花瓶に入れて、病室に戻った。
すると、病室にはスーツを着た男の人が数名入って行った。
会社の人かな?
美里さんは、まだいるかな?
「瞳子?」
私は、びっくりして後ろを振り返った。
「宗輔さん」
「早かったんだね」
「はい」
「じいちゃん、目が覚めたんだ」
「さっき、美里さんに伺いました。本当によかったですね」
「どうしたんだ?中はいらないの?」
「スーツの男の人が数人病室に入って行って…」
「ああ、会社の人だろ?」
「そうなんですか?」
「親父もいたはずだけど…」
「沢山おられるので、外で待ってます」
「ああ、ちょっと待ってて」
そう言って宗輔さんは、病室に入って行った。