図書館からはじまる
それから、1時間は経っていただろうか?
スーツ姿の男性たち3人は帰って行った。
「瞳子、ごめんな」
宗輔さんが病室から出てきたので、私は立ち上がった。
「いえ。大丈夫です」
「入って」
「はい」
私は、宗輔さんの後ろに付いて病室に入った。
持っていたお花をベッドの脇にあるテーブルに置いた。
「お、瞳子ちゃん来てくれたか。お花か、ありがとうな」
「元さん、お元気そうでよかったです」
「午前中に、富ちゃんとツルさんが来てくれて嬉しかったよ」
「午前中に来たんですね。よかったです…」
元さんは、元気そうに笑顔で話をしてくれた。
「瞳子大丈夫か?」
私は、元さんと話をしながら涙を流していた。
「はい。う、嬉しくて。元さんが元気になってくれて」
「ありがとうな。瞳子ちゃん」
「じいちゃん、そろそろ帰るわ」
「ああ、二人とも気をつけてな」
「また、来るから」
宗輔さんと私は、病室を出た。