図書館からはじまる



それから、1時間は経っていただろうか?


スーツ姿の男性たち3人は帰って行った。


「瞳子、ごめんな」


宗輔さんが病室から出てきたので、私は立ち上がった。


「いえ。大丈夫です」


「入って」


「はい」


私は、宗輔さんの後ろに付いて病室に入った。


持っていたお花をベッドの脇にあるテーブルに置いた。


「お、瞳子ちゃん来てくれたか。お花か、ありがとうな」


「元さん、お元気そうでよかったです」


「午前中に、富ちゃんとツルさんが来てくれて嬉しかったよ」


「午前中に来たんですね。よかったです…」


元さんは、元気そうに笑顔で話をしてくれた。


「瞳子大丈夫か?」


私は、元さんと話をしながら涙を流していた。


「はい。う、嬉しくて。元さんが元気になってくれて」


「ありがとうな。瞳子ちゃん」


「じいちゃん、そろそろ帰るわ」


「ああ、二人とも気をつけてな」


「また、来るから」


宗輔さんと私は、病室を出た。



< 129 / 145 >

この作品をシェア

pagetop