図書館からはじまる
この沈黙が耐えられなくなり、また話しかけた。
「大丈夫ですか?」
「瞳子」
「…はい」
「結婚してくれないか?」
「ええ?ええ?わ、私とですか?」
「もちろんだよ」
「ええ?」
「そんなに驚くか?」
「だって、だって、まだ、付き合ったばっかりだし…私、のっぽだし、可愛くなし…私…」
「前にも言ったけど、俺は瞳子じゃないとダメなんだ。瞳子の全部が好きなんだ」
「…」
「俺なら、瞳子を幸せにする自信がある」
「…」
「一緒に幸せになろ」
「いいんですか?」
「瞳子がいい!」
「私も、宗輔さんがいいです。ここんな私ですが、よろしくお願いします」
こんな嬉しいことがあるなんて!
さっき考えてたことが、バカみたいに思えてくる。
嬉しい!
「で、実は…」
え?また何かあるの?
「明日から一ヶ月ぐらい会えないんだ」
「一ヶ月ですか?」
「うん。俺さ、昇進するんだ。本当は、来期からだったんだけど、じいちゃんが、あんなだから引退するって言い出して、さっきのスーツの人たちがその話をしにきたんだ」
「そうだったんですか…」
「忙しい過ぎて、たぶん図書館にも行けなくなる」
「私、宗輔さんの家に通いましょうか?」
「いいの?」
「会えなくなるの寂しいし…」
すると、急に抱きしめられた。