図書館からはじまる
俺は、学生時代まで遊びまくっていた。
会社を継ぐことも考えていなかった…
寧ろ、会社を継ぐことが嫌だった。
祖父も父も何も言わなかった。
大学を卒業する半年前に、父に呼び出され、頭を下げられた…
「宗輔、お前しかいないんだこの会社を継ぐやつは…ちゃんと考えてくれ」
今まで、父は俺に頭を下げたことなんて一度もなかった。
俺は、暫く遊ぶのを辞めて、真剣に将来について考えた。
オオタホールディングスについても、調べた。
ある程度は、知っていたが、知らないことの方が多かった。
オオタホールディングスは、曽祖父の時代に創業されていて、歴史のある会社だった。
主に、食品を取り扱っていて、飲料水や介護食などにも手を広げていて、成功している。
家業を、調べてとても興味を持ち、祖父と父に自ら懇願した。
就職するには、父から条件があると言われた。
「10年は普通の社員として働いて、周囲には身元は隠しておけ!お前の働き方を見て、経営を任せるか決める。俺もそうだった…」
知らなかった…
父がそのようなことをして社長になったということを…
就職試験はなかったものの、父が今までに読んだ経営や経済についての本を「全部読んで、頭に入れておけ」と渡された。
それからも、猛勉強した。
そのお陰で、就職し人事部に配属された。
仕事も忙しく、父からの業務命令の勉強もあり、夜遊びも少なくなり、今は休みの前の日だけになった。