図書館からはじまる
俺は、真剣に本を選んでいたせいか、15分も経ってしまっていた…
選んだ二冊の本をカウンターへ持って行った。
「あの〜、これお願いします」
「はい。お預かりします」
カードを作成するために、用紙に記入しながら、時間が過ぎてしまったことを詫びた。
「すいません。時間過ぎちゃいましたね…」
「大丈夫ですよ。良い本が見つかりましたか?」
のっぽさんは、笑顔で対応してくれた。
「勉強したいものだったので…」
のっぽさんの、首から吊り下がっている名札を見た。
のっぽさんは、‘笹倉瞳子’という名前だった。
何と読むんだ?
あっ、ご丁寧にふりがなが書いてあった。
ささくらとうこ…
まぁ、のっぽさんでいいか…
のっぽさんは、カードの使用方法と返却の仕方を教えてくれた。
「ありがとう、のっぽさん」
ん?のっぽさんは黙り込んでいた。
「じゃあ、また来ます。のっぽさん」
俺は、いい本が見つかって満足して帰った。