図書館からはじまる
一度家に帰り、車で彼女を迎えに行った。
彼女、水元有紗(みずもとありさ)とは、友達の紹介…
いわゆる、合コンで知り合った。
年は、俺の3つ下の23歳。
有紗からのアプローチが強く、可愛いかったから、付き合いだした。
俺の恋愛事情は、常にこういう感じ。
今まで付き合った女性は、可愛かったからっていうのが多い。
性格とかは、あまり見ない。
だから、彼女がいなかった時期がほぼない。
誰かを好きだと思ったことがない。
有紗は、デパートに入っているアパレルの店で、働いている。
今日は、20時には終わると言っていた。
デパートの近くに車を停めて、有紗を待った。
コンコンと窓を叩く音が聞こえ、窓の外を見ると、有紗が笑顔で立っていた。
「宗輔、ありがとう。迎えに来てくれて。乗っていい?」
「おお」
有紗は、助手席に乗ってきた。
乗ってきた瞬間から、俺の腕に抱きついてきた。
「ねぇ、宗輔、手繋いでていい?」
「運転しにくい」
「いいじゃ〜ん、いつも片手で運転してるんだから」
「事故るだろ!車から降りたら、いくらでも握らせてやるよ!」
「本当に?」
「ああ」
有紗のこういうところが面倒くさい…