図書館からはじまる
保は、9時ぐらいで9時に来る奴ではない…
9時30分ぐらいにマンションの下の来た。
「宗輔待った?」
「待ったよ」
「ごめん!」
「いつものことだろ?」
「まあまあ、許して〜」
「…」
「あっそうだ!後ろ見て」
「おお〜すげぇな!さすが保!」
車に乗る前に、トランクを開けた。
保は、ビール、肉、野菜、魚介類などを準備していた。
バーベキューセットは向こうで貸してくれるそうで、必要になりそうな物も準備されていた。
保は、いつもこうやって完璧に準備する。
女にも完璧に尽くす。
尽くし過ぎて振られることもよくある。
学生の時も、勉強を完璧にこなし、今や歯科医の卵。
あと、3年ぐらい大学病院で働いてから、実家の歯科医院を継ぐらしい。
「あっそうだ、途中で女の子二人乗せるから」
「ああ…」
「今日はバーベキュー日和だな」
「ああ…」
「今日の人数は男4女4だから」
「ああ…」
「まあ、宗輔に興味がないのはわかるけど、ちょっとだけ楽しんでくれよ」
「はいはい。いつものことです」
「お願いします」
興味がないなはバレバレで、その場にいると少しだけ、テンションを上げないといけない。
疲れるけど、いつものことだ…