図書館からはじまる
電車から降りた私たちは、バスの乗り場に向かった。
バスに乗るともう、婚活パーティーが始まってしまう…
そう思うとなんだか緊張してきて、変に手に汗が出てきた。
「あら?緊張されてるんですか?」
「はい。今になって…」
「私は、きっと瞳子さんよりも緊張しています」
「本当ですか?」
「心臓がバクバクしていますので…」
「櫻子さん、頑張りましょう!」
「は、はい」
二人で、気合いを入れた。
櫻子さんは、今回の婚活パーティーを企画した知人を見つけた。
「磯貝さん、おはようございます」
「お待ちしておりました。一条寺様」
「磯貝さん、本日は宜しくお願い致します」
「こちらこそ、今回は良い方がいらっしゃればいいのですが…」
「はい。私も、そう思っています。あっ、こちら昨夜お話しした、笹倉瞳子さんです」
「笹倉様、宜しくお願い致します」
「こちらこそ宜しくお願い致します」
「さっ、座る場所はこちらで決めさせて頂いております。こちらの表を確認してから、座ってください」
座席は、2シート分一人で座るようになっていて、男女縦に一列となっていた。
一番後ろの席は空席で、その前の席が私で、櫻子さんが更にその前の席だった。
櫻子さんが、近くにいてくれてよかった。