図書館からはじまる
男性の名前は、薗田圭吾(そのだけいご)さん、31歳。IT系の企業に勤めているらしい。趣味は、スカイダイビング、スキューバーダイビング、ドライブ、大学時代アメフトをやっていた。スポーツは、観るのもやるのも好き。
多才な人。
結構人気がでそうだな、この人…
と、思っているうちに、薗田さんからマイクを渡された…
ふーっと深呼吸して、自分の自己紹介をした。
緊張し過ぎて何を言ったか覚えていない…
「マイク…次の人に」
小声で、薗田さんに言われ慌てて、次の人にマイクを渡した。
「あっ!すっすみません…」
薗田さんにも、会釈した。
「しっかり、自己紹介されてましたよ。笹倉瞳子さん」
「あ、ありがとうございます」
恥ずかしくて、顔を合わせられなかった。
次は、櫻子さん。
先ほどから、櫻子さんは全く喋らなくなっていた。
きっと、緊張し過ぎていたからなんだろうなと思っていたら、櫻子さん、完璧な自己紹介をしていた。
櫻子さんの肩をトントンと叩いて、櫻子さんが前の座席から顔を出してくれた。
「完璧ですね?」
「瞳子さん、私緊張し過ぎて、少し車酔いしてしまいました…
自己紹介の途中ですが、寝ます」
「あ、はい」
「あとで、どの方がどんな方か教えてください」
「え?はぁ…」
10人も男性が、いるのに覚えれませんよ〜…
全員の自己紹介が終わり、磯貝さんのアナウンスがあった。
「では、先ほどお伝えした通り、冊子についています用紙を切り取り、第一印象が良かった方のお名前を記入してください。ご自身のお名前を忘れずに記入してくださいね。書く物がない方は、今から、私が後ろまで伺います。その際にお申し付けください。ご質問も承ります」
私は、全員の自己紹介を聞いていたが、特に気になった方がいなかったので、何も書かなかった。
「櫻子さん?大丈夫ですか?」
「はい。先ほどから起きていました」
「良かった」
「瞳子さん、記入できました?」
「は、はい」
記入しないつもりだけど、一応、返事だけ…
バスは、キャンプ場の駐車場に到着した。