図書館からはじまる



すると、そこには薗田さんがいた。


「あっどうも、笹倉さん」


「どうも…」


「よかった。笹倉さんで」


また、この4人で自己紹介…


男性は、薗田さんと多野さん、女性は三原さん。


「薗田さん、お肉とか取りに行きましょうよ〜」


「あ、はい」


三原さんは待ってましたとばかりに薗田さんを誘った。


「じゃあ、僕たちも椅子とか取りに行きましょうか?」


見兼ねた多野さんが、私を誘ってくれた。


多野さんは、私よりも10cmぐらい背の低い方で、髪の毛も薄い…


「羨ましいな、僕も笹倉さんぐらい背が高かったらな…」


多野さんが言った。


私は、苦笑いしかできなかった。


「あはは」


「やっぱり部活は、バレーボール部?」


きました…この質問が…


「いいえ、違います」


「もったいない」


ほっといてほしい…


私は、多野さんを追い越し、先に椅子を取りに行った。


「これですね」


「じゃあ、僕、二脚持ちます」


「…」


椅子を二脚持ち、火炉へ戻ろうとすると、椅子がふっと軽くなった。


「持ちますね」


薗田さんが、笑顔で椅子を持ってくれた。


「あっ、どうも…」


薗田さんは、炭を持っているのに、更に、椅子を二脚持ってくれた。


「ヤダ〜重たい!薗田さん!これも持ってくださ〜い」


後ろから、薗田さんを追いかけてきた、三原さんが言った。


「私、持ちます」


「あっじゃあ、あなたデカイから全部どうぞ!」


「は、はい」


「大丈夫?」


「はい…」


薗田さんが、心配してくれた。


火炉に着くと、早速、薗田さんと多野さんは、火を起こす準備を始めた。


薗田さんは、すごく手際が良くて、すぐに火が付いた。


その時も三原さんは、薗田さんの横をキープしていた。


殆どの、食材は切らなくてもいいようになっていて、すぐにバーベキューが始められた。



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