図書館からはじまる



程よくお腹がいっぱいになってきた。


とても満足です。


多野さんとの会話も殆どなくて、二人で、食べ続けていた。


「僕、ちょっと行ってきますね」


多野さんが、急に言い出した。


「はい。頑張ってくださいね」


「ありがとう」


多野さんの健闘を祈った。


火炉で一人になっていたら、三人の女性に囲まれている薗田さんが帰って来た。


「ただいま、笹倉さん」


「お帰りなさい」


「魚釣れたので食べましょう」


「薗田さ〜ん、私にも焼いてくださ〜い」


「わかりました」


薗田さんは、どの女性にも優しく接していた。


私の居場所がなくなったし、なんだか居づらい…


「私、ちょっと離れます」


「あっ!いってらっしゃ〜い」


女性たちに見送られた。


火炉から少し離れた所に細い道があり、お手洗いのマークが見えたのでお手洗いに行った。


お手洗いを出て、少し歩くと、前から男の人が歩いて来た…


ん?


見たことある。



< 32 / 145 >

この作品をシェア

pagetop