図書館からはじまる



「のっぽさん!」


「太田さん!」


昨日図書館で会ったばかりの太田宗輔さん…


太田さんも、バーベキューをしに来ていて、何かに追われてるとか追われてないとか、よくわからない…


「のっぽさん、メガネかけないほうがいいよ」


と、太田さんが急に言った。


そんなこと男性に初めて言われたので、かなり恥ずかしくなって、顔が熱くなった。



また、「のっぽさん」って言うし…


「あっ、そ、それとその「のっぽさん」っていうの辞めてもらえます?」


「ええ?いいじゃん、可愛いし」


可愛くないよ!!


「じゃあ、瞳子さん?でいいの?」


瞳子さん?って男性に初めて言われた…


もう、どうしていいかわからなくなり、私は、いつの間にか走り出していた。


落ち着いた先は、櫻子さんのところだった。


「瞳子さん?どうしたんですか?」


「櫻子さん…」


「瞳子さん、私探していたんですよ!」


「どうしてですか?」


「昨日の図書館に来た、男前の方がいたんです。一番奥の火炉に」


「あ…さっき、会いました」


「そうだったんですか…なんだか、合コンみたいな感じですよ」


「そうなんですか…」


私は、太田さんの方をチラッと見た。


結構距離があるのに、太田さんと目があったような気がした。


因みに今日は、コンタクトを付けている。


「それはそうと、バスの隣の男性とはどうなんですか?」


櫻子さんに薗田さんのことを聞かれた。


特に何もないし、すぐに女性が寄って来るし、話もできないことを伝えた。


「そうでしたか…今でも、女性がたくさんいますね」


「はい。私は、本当にお肉を食べに来ました。櫻子さんはどうですか?」


「う〜ん…ダメですね…」


「いい人いたんじゃないんですか?」


「あの女性で人気が高い方、あそこで男性が群がってます」


「あっ本当!」


「あの中にいます。その方が…」


その中には、多野さんもいた。


綺麗な方のところに行ったんですね。


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