図書館からはじまる



「瞳子さん、お疲れ様です」


私に話しかけてきたのは、先輩の一条寺櫻子(いちじょうじさくらこ)さん。


「櫻子さん、お疲れ様です」


「最後の方、帰られました?」


「はい、先ほど…」


「中々、男前な方でしたね」


「そうでしたか?あまり、じっくりは見なかったです」


「ただ、瞳子さんよりも小さい方でしたよ」


それは、すぐにわかったけど…


「最近、あのような若い男性が、利用されないので、少しワクワクしてしまいました」


この櫻子さん、実は超がつくほどお嬢様で、38歳の独身。


親の勧めた人は、見もせず、自分で運命の人を探しているらしい。


とても話し方が丁寧で、後輩の私にまで敬語で話してくれる。


でも、とても毒舌…


ふっとした時に、毒を吐きます。


そして、かなりのイケメン好き。


図書館に若い男性が来館すると、テンションがやけに上がります。


その人が、イケメンだと更にテンションが上がり、自ら話しかけに行く。


それぐらいイケメン好き…


たぶんその人と、どうこうなろうなんて思っていないと思います。


けど、私には全てを含めて櫻子さんが癒し系なんです。


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