図書館からはじまる
翌日、宝は1時頃に来た。
「おっ、宝来たか」
宝は、可愛い笑顔を振りまいていた。
今日は、姉の怒りも完全に収まり、いつも以上に弘さんとイチャイチャしてる…
昨日のことは、何だったんだ…
どうやら、今回も姉の勘違いだったらしい。
本当に毎度毎度、お騒がせな姉だ。
「じゃっ、宜しくね。
宝、そうちゃんにいっぱい遊んでもらってね」
「うん!」
宝は、めいっぱいの笑顔を見せた。
弘さんと姉は、久々にデートに行くらしい…
「宝、どっか行くか?」
「えほんのとこいこ〜」
「おっ、やっぱり図書館に行きたいんだな」
俺は、宝と歩いて図書館に行くことにした。
宝は、右手に俺の手、左手にお気に入りの人形を持ち、タオルや着替えが入っている、小さいリュックサックを背中に背負っている。
その姿も、可愛い。
俺の家から、歩いて10分で図書館に着く。
宝は、疲れた様子も見せず、黙々と歩く。
図書館が見えるとはしゃぎ出し、走って中に入って行った。
「おい、宝危ないぞ」
「あら、宝ちゃんこんにちは」
「のっぽちゃん、こんにちは」
宝は、のっぽさんと知り合いなのか?
のっぽちゃんって…
「あっ、太田さん…宝ちゃんの…」
ん?のっぽさんは勘違いしてるのか?
「い、いいや宝は、姉の子供」
「太田さんは、美里さんの…弟さん?」
「姉のことも知ってるんだ」
「はい。宝ちゃんとよく来られます」
「だからか…」
「え?」
「いや、姉がここに来たら機嫌が、良くなるからって…」
「そうですね。宝ちゃんはいつも楽しそうに絵本見てます。絵本が好きなんですね」
また、のっぽさんの笑顔を見てしまった…
「あっ、そうだ2時から“おはなし会”があるので、宝ちゃんと是非参加してください」
「ありがとう」