図書館からはじまる
予定通り2時から“おはなし会”が始まり、宝は真剣に話を聞いていた。
俺も、のっぽさんの“おはなし会”を真剣に聞いた。
30分ぐらいで終わり、宝がかなり眠そうな目をしていた。
「そうちゃん、おんぶ…」
宝は、おんぶした瞬間からもう眠ってしまった。
「あら、宝ちゃん寝ちゃったんですね…」
「うん。のっぽさん今日はどうも、宝も楽しそうな顔してたし…」
「いいえ…楽しんでもらえてよかったです」
「宝もこんなだし、帰るわ」
「はい、お気をつけて」
俺は、眠ってしまった宝をおんぶしたまま、家に帰った。
それから、約2時間ぐらい経ち姉が帰って来た。
宝も、目が覚め姉に抱きついた。
「ママ…バニちゃんがいない」
と、宝が泣き出した。
どうやら、お気に入りの人形をどこかに落として来たようだ…
「あら、どこかに落として来たのかな?宗輔しらない?」
「あっ、図書館かもしれない…」
「そう…」
宝は、寝起きもあってか、泣き止まない…
「俺、探してくるよ。家に届けるから、家で待ってて」
「宝、よかったね!そうちゃんが探して来てくれるって!」
宝は、泣き止んだ。
「珍しいね。宗輔がそんなに必死になってくれるなんて。前だったら、面倒臭いな〜なんて言ってたのに…」
「宝のためかな?じゃあ一緒に出よ」
二人を見送ってから、俺はまた、星の台図書館に向かった。