図書館からはじまる
〜5〜
☆ ☆ ☆
金曜日…
薗田さんとのお食事は、明後日…
あんなに素敵な薗田さんとのお食事。
私でいいのだろうか?
そんなことを思いながら、今日も仕事。
いつも通りに仕事をこなす。
閉館する時間が近づいてきた。
「私、本棚整理してきますね」
「はい。お願いいたします」
私は、閉館前の本棚の整理をするため、櫻子さんに声を掛け、見回りをする。
しゃがみ込み、乱れたところを整理していると、誰かの足元が見えた。
「あっ…こ、こんばんは」
「こんばんは、のっぽさん」
また、この人…
太田宗輔さん…
「この間は、どうも」
「あ、はい」
「合コンだったの?」
なっなんと…
この間のバーベキューのことを…
あなたのほうが、合コンでしょう?
私は、すごい勢いで否定した。
「違います!」
「かなりの団体だったよね」
「あれは…
じっくり選んでください」
私は、恥ずかしくなり、その場から逃げ出した。
カウンターに戻り作業をすると、本を選び終えた太田さんが、カウンターに来た。
「返却分と借りる分です。お願いします」
「はい。お預かりします」
恥ずかしすぎて、極力太田さんを見ないようにした。
「ねぇ、俺なんか気に触ること言った?」
「いえ、何も」
恥ずかし過ぎて、目も合わせられない。
すると、太田さんはカウンターに両手をついて、近づいてきた。
え?何?近いんですけど…
「ねぇ〜のっぽさん、背高いよね、身長何センチあんの?もしかして、部活はバレーボール部?」
きました!お決まりの質問…
本当に、人の気持ちを無視して、ズバズバと質問してきて…
「その質問、答えないといけませんか?」
「知りたいなって…」
知りたいってどういうこと?
私、からかわらてる?
あっ、カード出してもらわなきゃ。
「カード出していただけますか?」
「あっ、はい」
さすがに、私に興味を持っての質問じゃないでしょ?
「小さい頃から背の順番は、一番後ろ。身長は174cm。部活は、茶道・花道部です」
「そう」
ほら…そっけない…
「…興味ないですよね?」
「そんなことないよ。俺より4cmもおっきいなって…」
やっぱり、からかわれてるよ…
「ごめん」
ん?
謝られてる…
「ありがとうございました。もう、閉館の時間なので」
「あ、ごめん」
また、謝った…