図書館からはじまる
また、後ろから声を掛けられた。
今度こそは、太田さんだ。
私は、ゆっくり振り返った。
「どうしてここにのっぽさんがいるの?」
太田さんは、不思議そうな顔をしていた。
「あ、あの〜き、昨日は失礼なことを言ってしまい本当に申し訳ありませんでした」
「あぁ、昨日のね…俺、あの後すごい凹んでさ、どうにかなっちゃいそうだったよ」
「え?本当ですか?いや、あの、本当にすいま…」
「ぷっ…あははは」
太田さんは、落胆したような表情をしていたのに、急に笑い出した…
え?
「いや、ご、ごめん。
大丈夫、全然気にしてないから」
「え?騙したんですか?もう…」
「あははは」
「でも、よかった怒ってなくて」
「お互い様だね」
「え?」
「この前俺も、のっぽさんに謝ったし」
「本当ですね」
「もしかして、それを、言うためにわざわざ、来てくれたの?」
「はい。早く言わないとって、太田さんが、また図書館に来る保証もないし…」
「そうなんだ、気遣わしちゃっな…」
「いえ、私が悪いので…」
「電車で来たの?」
「はい」
「最寄り駅同じだから、一緒に帰ろうか?」
「あ、はい」