図書館からはじまる



そんなこんなで、太田さんと私は、電車で一緒に帰った。


「のっぽさんって年いくつ?」


「女性に年齢を聞かないでください」


「俺より年上だよな?」


「ご想像におまかせします」


なんか、誤解してたのかな?私…


太田さんって、すごく喋りやすい。


それに…笑顔が素敵…


不思議な感じ。


少し胸の奥がザワザワしてる…


なんだろ?これって?


あっという間に駅に着いた。


「自転車だったよね?」


「今日は、歩いて来ました」


「送るよ」


「大丈夫です」


私は、はっきりと断った。


「じゃあ、ここで気をつけて」


「はい。ありがとうございます」


薗田さんよりも話がしやすかった。


太田さんとは駅で別れ、私が歩いて帰ろうとした時…


「ちょっと、あんた待ちなさいよ!」


え?私?


「はい?」


綺麗だけど、目つきが悪くて、今にも喧嘩しそうな顔をした女性が近づいて来た。


< 60 / 145 >

この作品をシェア

pagetop