図書館からはじまる



のっぽさんと一緒に歩く。


確か4cm背が高かったはず…


けど、そんなこと気にならない。


歩幅、歩く速度、会話の間、今までに感じたことのない居心地の良さ。


何なんだ?


俺は、少し緊張していたのか、変な質問をしてしまった…


「のっぽさんって年いくつ?」


「女性に年齢を聞かないでください」


「俺より年上だよな?」


「ご想像におまかせします」


また、怒られるかもしれないと、言ってしまってから気がついた。


けど、上手く交わしてくれた。


のっぽさんはきっと年上だ。


2、3歳ぐらい上かな?


それにしても、笑った顔が見たいと思ってしまうぐらい、良い笑顔をする。


そう思いながら、あっという間に最寄り駅に着いた。


「自転車だったよね?」


「今日は、歩いて来ました」


「送るよ」


「大丈夫です」


送って行こうと本気で思った。


まさか、こんな返事が返って来ると思わなかった。


けど、あまりしつこくしても、また、怒ってしまうかもしれない…


「じゃあ、ここで気をつけて」


「はい。ありがとうございます」


俺は、のっぽさんと別れ家路に着いた。



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