図書館からはじまる


「ご返却は二週間以内にお願いします」


「はい、あの〜」


「瞳子さん、お呼びしましょうか?」


「いいや、忙しそうなので大丈夫です。でも、俺のこと覚えてたの?櫻子さん…」


「いいえ、瞳子さんが教えてくれました。美里さんの弟さんだということを」


「そういうことか…」


のっぽさんは、姉と面識があるとこの前言っていた。


「これ、お願いします」


横から保が入り込んで来た。


「カードは、お持ちですか?」


「いいえ、持ってません。作ります」


「では、こちらの用紙に記入していただけますか?」


保は、本を借りるための手続きをしている。


「なぁ〜宗輔、櫻子さんも飲みに誘ったぞ!もう一人同僚の人誘ってくれるってさ!」


「え?本当か?」


保は、いつの間にか、櫻子さんを飲みに誘っていた。


もう一人の人って、のっぽさんのことか?


「おい、宗輔らしくないな、知ってるの?もう一人の人」


「たぶん…」


「じゃあ、よかった」


突然のことで、動揺してしまい、らしくないとまで言われてしまった。


最近姉にもよく言われることだ。


でも、のっぽさんは、本当に来てくれるのか?



< 68 / 145 >

この作品をシェア

pagetop