図書館からはじまる
「ご返却は二週間以内にお願いします」
「はい、あの〜」
「瞳子さん、お呼びしましょうか?」
「いいや、忙しそうなので大丈夫です。でも、俺のこと覚えてたの?櫻子さん…」
「いいえ、瞳子さんが教えてくれました。美里さんの弟さんだということを」
「そういうことか…」
のっぽさんは、姉と面識があるとこの前言っていた。
「これ、お願いします」
横から保が入り込んで来た。
「カードは、お持ちですか?」
「いいえ、持ってません。作ります」
「では、こちらの用紙に記入していただけますか?」
保は、本を借りるための手続きをしている。
「なぁ〜宗輔、櫻子さんも飲みに誘ったぞ!もう一人同僚の人誘ってくれるってさ!」
「え?本当か?」
保は、いつの間にか、櫻子さんを飲みに誘っていた。
もう一人の人って、のっぽさんのことか?
「おい、宗輔らしくないな、知ってるの?もう一人の人」
「たぶん…」
「じゃあ、よかった」
突然のことで、動揺してしまい、らしくないとまで言われてしまった。
最近姉にもよく言われることだ。
でも、のっぽさんは、本当に来てくれるのか?