図書館からはじまる
外で、二人を待った。
20分くらいで、のっぽさんと櫻子さんは出て来た。
「あの、でっかい人が知ってる人?」
保が、小声で聞いてきた。
「そうだけど、その言い方辞めろよ」
「あぁ、ごめん」
俺は、なんでこんなこと言ってるんだ?
保は、少しびっくりしていた。
「お待たせ致しました。あの〜瞳子さんは、体調があまり良くないので、私だけになりました。すみません」
「では、櫻子さん、私は帰ります」
「瞳子さん、お気をつけて」
「お気をつけて」
のっぽさんは、風邪でも引いたのか、マスクをしていた。
「櫻子さん行きましょう」
保は、櫻子さんと並んで歩き出した。
俺は、のっぽさんが気になって、目で追っていた。
居酒屋に着き、保の隣に櫻子さんが座り、保の前に俺が座った。
「宗輔、櫻子さんと幼馴染らしいじゃん」
「あぁ、そうみたいだな。俺もさっき聞いた」
「宗輔さんは、幼かったので、覚えていないのも仕方がないですね」
それから保は、櫻子さんに質問を何度もして場を盛り上げていた。
「あっ、そうでした。宗輔さん、瞳子さん、昨日何があったか知っていますか?」
「いいや、何も…」
「そうですか…」
「瞳子ちゃん、何かあったの?」
「はい…」
櫻子さんの表情が暗くなった。