図書館からはじまる



「どうします?瞳子さん?」


「あ…はあ…」


「乗り気ではなさそうですね?
またには、自然の空気を吸いにいきませんか?山の近くのキャンプ場でバーベキューをして、釣りをして、ゲームをして…自然がたくさんで癒されますよ」


「キャンプ場で、癒しですか…」


「で、ついでにいい方がいれば…うふふ…」


うふふ…って、櫻子さん…
楽しそう…目が輝いている。


櫻子さんには、10年前の話を少し話していた。


本当に乗り気ではないけど、毎日、毎日、本に囲まれているから、癒しっていうのに惹かれた。


「…はい」


「はい。決まりですね」


「あ…でも、いきなりでも大丈夫なんですか?」


「はい。知人の企画した婚活パーティーで、丁度あと一人女性が足りないと言っていたので」


「そうですか」


「では、明日は8時半に、駅で待ち合わせで」


「はい」


「あっそうでした、こちらと気温差があるので何か羽織るものとかお持ちになったほうが、いいと思います。あと、動きやすい格好で」


「はい。わかりました」


櫻子さんと別れたのは最寄り駅で、図書館から5分ぐらいのところ。


私は、自転車で家に向かった。


4月の終わりの少し肌寒い夜、自転車を漕ぎながら、婚活パーティーについて考えながら帰った…


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