図書館からはじまる
現在の時刻は、13時。
俺は、まだ自宅で有紗になんていえばいいのか迷っていた。
今まで、振られてばかりだったから、振るということがなんなのかよくわからない。
でも、これは乗り越えないといけないことだ。
時刻は刻一刻と迫って来ている。
14時半俺は、自宅を出た。
車に乗っても、頭の中が真っ白で、大丈夫かな?と自分でも思う。
約束の5分前に、いつも、有紗の家の近くで待ち合わせしたり、帰りに降ろす場所に着いた。
有紗は、いつも通りに窓をノックして、俺と目が合ったら笑顔になり、助手席に座った。
「宗輔、久しぶりだね」
「あぁ」
「今日は、時間が早いね」
「あぁ」
「どこに行く?有紗、宗輔と行きたいところたくさんあるんだ」
「有紗、ごめん。話ができるところで車止めるわ」
「…」
有紗は、いつも以上にテンションが上がっていて、俺に話ができないように喋り続けていた。
話がしたいと言った瞬間から、一言も喋らなくなった。
5分ほど車を走らせて、公園の脇に丁度いいスペースがあり、車は、そこに止めた。