図書館からはじまる
今日は、金曜日だった…
あんなことがなかったら、今日は、ウキウキしていたのに…
18時50分になるのが苦痛…
そろそろ、時間になるので、私は、櫻子さんにカウンターを託し、事務所に入った。
ん?
今日は、一人じゃなくてもう一人いる。
私は、こっそり見ていた。
太田さん…
帰って行った…
「あら、見てたんですか?聞かれましたよ。瞳子さんのこと」
「そうですか…」
太田さん、気にしてくれたんだ。
「今日は、お友達と来られてまして、飲みに誘われました。瞳子さんもどうですか?」
「わ、私もですか?
あ、でも、こんな顔だし、太田さんには近づけないし、辞めておきます」
「わかりました。じゃあ帰りましょう」
「はい」
櫻子さんと私は、一緒に外に出た。
太田さんとお友達は、何やらヒソヒソと話をしていた。
「お待たせ致しました。あの〜瞳子さんは、体調があまり良くないので、私だけになりました。すみません」
櫻子さんが、行けない理由を言ってくれた。
「では、櫻子さん、私は帰ります」
「瞳子さん、お気をつけて」
「お気をつけて」
私は、太田さんと目を合わさないようにしてその場を離れた。