図書館からはじまる



すると、薗田さんとBARに向かっている途中で、女性と腕を組んで歩いている太田さんが正面から歩いてきた。


「…」


「のっ…瞳子…」


「…」


すれ違った時に、手首を掴まれた…


「離してください」


さらに強く掴まれた…


「ちょっと、あんた何やってんだよ!離せよ」


「俺は、瞳子に話があるんだよ!」


「俺の女に触れるな!」


え?薗田さん何言ってるの?「俺の女」って…


太田さんは、私の掴んでいた手首を引き寄せて、耳元でこう言った…


「そいつに気をつけろ」


それだけ言って、一緒にいた女性と去って行った。


久しぶりに会った、太田さんに私は、胸の奥のザワザワが止まらなかった。


けど、太田さんが言った「そいつには気をつけろ」ってどういう意味?


「大丈夫ですか?」


「あ、はい」


薗田さんは、私の腰に手を回しBARまで歩いた。




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