図書館からはじまる



「ただいま」


「お帰り、瞳子ちゃん」


「おばあちゃん、外、お花いっぱい植えたんだね」


「そう!いいでしょ」


「うん。なんか華やかだね」


「ごはん、用意しようか?」


「あっ、自分でするよ。休んでて」


「ありがとう」


「おじいちゃん、ただいま」


「おっ、瞳子お帰り」


私には、父と母がいません。


父と母は、私が12歳の時に交通事故で亡くなりました。


それ以来、私は、父方の祖父(笹岡富一郎・ささおかとみいちろう)と祖母(笹岡ツル・ささおかつる)に育てられました。


祖父と祖母は、とても優しく、時には厳しく、愛情を持って育ててくれました。


たまに、父と母のことを思い出して、寂しくなることもあったけど、近くに住んでいる叔父と伯母がまたに、従兄弟たちを連れて来てくれて、一人っ子の私は、家の中が賑やかになるのが、子供心に嬉しかった。


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