図書館からはじまる
そして、一週間…
二週間…
三週間…
薗田さんからの連絡はなかった…
私が掛けた電話は、始めは呼び出し音が鳴っていたが、最近では「お掛けになった電話は、電波の届かない場所にあるか、電源が入っていない為、掛かりません…」と、機械的な声しか聞こえない…
薗田さんに何があったの?
こんなこと誰にも言えない…
日曜日の午前中…
トントンと私の部屋のドアをノックする音がする。
「瞳子?起きてるか?」
「うん。起きてるよ」
「ちょっと、来てくれないか?ばあさんが、出掛けててな…」
「わかった今行く」
珍しく、祖父がそんなことを言った。
リビングに行くと、元さんがソファに座っていた。
そして、横には珍しく若い男性が座っていた。
「元さん、おはようございます」
「瞳子ちゃん、お邪魔しています」
ん?
「「え?」」
「太田さん…」
「のっぽさん…」
「「知り合いだったのか?」」
あはははと笑いながら、祖父と元さんはびっくりしていた。
「そうか…まぁ、一応紹介するよ。孫の宗輔だ」
「どうも」
「富ちゃんのお孫さんの瞳子さんだ」
「どうも…」
「それにしても、宗輔、こんな可愛らしい瞳子ちゃんに、のっぽさんとは、失礼だ」
「き、気にしてないから大丈夫だよ、元さん」
突然のことに驚いていたのは、どうやら私だけでは、なかったようだ。
太田さんは、ぼーっとしていたようで、「宗輔聞いてるのか?」と元さんに言われていた。
「ごめんなさい。私、お茶いれますね」
私は、太田さんを避けていたのに、こんな形で会ってしまって、すごく恥ずかしくて、逃げてしまいたいぐらいだ。
三週間前ぐらいに会って以来だから、本当に恥ずかしい…