図書館からはじまる
それから、俺はまたのっぽさんに謝罪をしないといけないと思い、金曜日に図書館へ向かった。
「瞳子さん、今日はお休みですよ」
櫻子さんに言われた。
「そっか…顔の腫れとか大丈夫なの?」
「腫れは引いたみたいです。
マスクも取れてましたし…」
「よかった」
俺は、のっぽさんの体調が気になった。
とりあえず、今日借りる分の本を選んで図書館を後にした。
そして、次の週も図書館へ…
また、櫻子さんに「瞳子さん、今日もお休みですよ」と言われた。
避けられてるのか?
「元気になってる?」
「はい。すっかりお元気ですよ」
「よかった」
元気になっているのが、何よりも安心した。
今日は、図書館で偶然保に会った。
「保、通い詰めてるのか?」
「勿論!
おいおい、そんな宗輔くんも通い詰めてるじゃないか?」
あ…
そうだった…
「2日置きぐらいに、来館なさっています」
櫻子さんがこっそり言った。
「その度に俺は、撃沈です…」
「保、柄にもなく頑張ってるんだな!」
「そうなんだよ」
「飲みに行くか?」
「おう!」
「櫻子さんもどう?」
「私もですか?」
「是非!!」
「あ…はい…」
「やったぁ!!宗輔くん、ありがとう」
保は、俺に抱きついてきた。