図書館からはじまる
「なんのお構いも出来なくて、すみません…」
のっぽさんは、お茶を出してくれた。
「大したもんだよ。瞳子ちゃん。富ちゃん良い孫を持ったな!」
「そうなんだよ。お、宗輔くん、瞳子を嫁にどうだ?」
「おお!富ちゃんそれはいいアイディアだよ!」
「「…」」
何を言い出すんだ…この二人は…
のっぽさんを嫁に?!悪い気はしない…
「あとは、当の本人同士の気持ち次第だな」
「元ちゃんとワシはいつでも歓迎だからな」
「…」
のっぽさんと目が合ったけど、すぐに目を逸らされた。
「さっ!富ちゃん始めようか」
「そうだな。今日は、将棋かな?」
「そうしよう」
のっぽさんは逃げるようにどこかに行ってしまった。
俺は、気がつくとのっぽさんを追いかけていた。
のっぽさんは、キッチンに向かっていた。
俺は、有紗がしたことをのっぽさんに謝罪した。
「ごめんなさい」
のっぽさんは、大丈夫だと言ってくれた。
そして、どうしてここに来たか?
どうして、富一郎さんに挨拶しに来たか?
などの質問をされ、一つずつ答えた。
俺は、祖父と富一郎さんの関係、ツルさんもよく家に来ていたことなどを話した。
一番心配していた、あの詐欺男のことを聞かないといけないと思い、聞いてみた。