図書館からはじまる
外で保と、櫻子さんとのっぽさんが出てくるのを待った。
「結局誘っちゃったの?」
「は?違うよ。話がしたいだけだよ」
「それは、誘ったってことだろ?」
「いいだろ、俺のことは。保はどうするんだよ」
「俺は、アプローチするのみだよ」
「脈ありなんじゃねぇの?」
「やっぱ、そう思う?」
「保はさ、チャラく見えるから、改めて、もう一回真面目に告ってみたらどうだ?」
「俺、やっぱりチャラいか…
そうだよな…わかった。もう一回、真面目にね」
「がんばれよ」
「おお。二人出てきたな」
櫻子さんとのっぽさんが職員出入り口から出てきた。
「お待たせいたしました」
「お疲れ様でした。さっ、行きましょう。櫻子ちゃん」
「まっ、お二人で待ってて頂いたんですね…
保さん。行きましょう。お二人でごゆっくり…」
「どうも」
保と櫻子さんは、すぐに二人で行ってしまった。
残された、俺たちは沈黙のまま暫く二人の方向を見ていた。
二人っきりになるのは、のっぽさんの家の前で抱きしめて以来だから、緊張していた。