秘密が始まっちゃいました。
「俺のこと、男だって意識させたい」


「そーいう……冗談は……狙ってる女子にやってください……」


「冗談に見えるか?じゃ、冗談で済まないとこまでしてみよっか」


お酒のせい?
いや、そんなに飲んでない。

彼女いなくて2年くらいって言ってたけど、そろそろ寂しくなってきたってヤツ?
目の前に据え膳があったらいただいてみちゃいましょう的な?

嘘、絶対ダメ!

私の気持ちとか、荒神さんの気持ちとか、
そういうの無視で、なりゆきでどうにかなっちゃいけない!

気の迷いだとしたって、マズイマズイマズイっ!

荒神さんの顔が近付き、私の首筋にそのセクシーな唇が触れるか触れないか……。
私は怒鳴った。
腹の底から大声で。


「無理ですっ!!そんなに目が真っ赤に腫れてる人にドキドキできませんっ!!」


荒神さんがぴたっと止まった。
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