秘密が始まっちゃいました。
それから、身体の力がふにゃーっと抜けるのがわかった。
私の上に覆いかぶさっているので、必然、脱力した身体が私に抱きつく格好で降ってきた。

ぎゃぎゃっ!!
この状態の方がまずいじゃない!
お腹も胸も、みっみみ密着してるっ!

しかし、荒神さんにはすでにその気はないようだ。
固まる私の上からどっこいしょと身体を起こすと、ソファの革の背もたれに寄りかかり、天井を仰いだ。


「ちくしょー、やっぱそこか。そこが引っかかるか!」


どうも、荒神さん、
私に拒否られた理由がソレってことがショックみたい。

ま、そうだよね。私も狙って言ったもん。

『泣きすぎて、目が真っ赤な男性とじゃ、エッチな気分になんかなりません!』っつうね。


「あー、やっぱり彼女ができても隠し通さなきゃなんないな。涙腺ゆるいってのは!その気になってもらえないもんな!」


荒神さんは悔しそうに言う。
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