秘密が始まっちゃいました。
挙式はステンドグラスが美しい、小さいチャペルで始まった。

賛美歌の中、入場する福谷。
そしてお父さんに付き添われ入場する瑠璃。


私は福谷と瑠璃の恋が生まれる前から知っている。

入社してから、やたらと瑠璃をかまう福谷も、戸惑いながら彼に惹かれていく瑠璃も見ている。
恋が始まって、それぞれに相談を持ちかけられたこともあった。
喧嘩の仲裁も、仲直りにお酒を奢ってもらったのも、全部昨日のことみたい。

そんな二人が今日、結婚する。


本当に、本当に嬉しい。
自分のことのように嬉しいよ。

バージンロードを歩く、今までで一番キレイな瑠璃を見つめ、私は涙ぐんだ。


はっと現実に立ち戻る。

前方の席を盗み見ると、荒神さんの目がすでにうるうるしてるじゃないか!

横並びの席の一番外側にいるため、中央のバージンロードを注目している現在、彼に気付くものはいない。
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