秘密が始まっちゃいました。
「じゃ、男友達?」


「んーん、親戚のおじさん」


「なんだ……」


真子があからさまにテンションを落とした。
私だって、ホントは見栄張りたい。
メンズと大人気ホテルでディナーデートとか言いたい。

でも、相手が荒神さんじゃ威張れない。
というか、やっぱりバレちゃいけない気がする。

荒神さんが人気者なのは周知の事実だし、単純に私とじゃ釣り合わない。
そして、心情的にも引っかかる。
『望月さんてば、あれだけ荒神さんを叱っていたのに、実は好きだからちょっかい出してただけみたいよ』
なんて誰にも噂されたくない!


「ともかく、お料理は最高らしいんでいいじゃないですか!!予約がなかなか取れないお店ですし、きっと親戚の方、ご苦労されたんじゃないですか?お礼言った方がいいですよ」


予約がなかなか取れない高級店に、どうやって予約をねじ込んだんだろう。1ヶ月前から計画していたなら、急に連絡をくれるわけないし。
しかし、荒神さんがなんらかの尽力をしてくれたことには変わりない。
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