秘密が始まっちゃいました。

よし、どうせシークレットなデート。
心して楽しんでこようじゃないの。

これを最後に荒神さんとどこかに出かけることなんてなくなるのだから。


「あ、当然ですけどドレスコードがありますからね」


真子がつけたしのように言った。
……だよねぇ……何着てこう……。



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土曜日の17時45分。
私は汐留の超高級ホテル、ラヴィアンローズ東京の豪華なロビーにいた。

悩みに悩んで、服装はシックな紺のワンピース。持ってる中で一番上等なパンプスを履いて、やってきた。髪の毛はヘア小物を駆使しても夜会巻きが精一杯だった。
今更だけど、ノースリーブのワンピースで良かったのかな、なんて心配になる。でもカーディガンを羽織るのも……。


「望月」