秘密が始まっちゃいました。
コーヒーラウンジの方から荒神さんが歩いてくる。
1週間ぶりに会う荒神さん。すごく久しぶりな気分だ。
ジャケットにタイトなパンツスタイルは、仕事用のスーツと違って、彼を一層洗練された男に見せた。


「お、いい女だねぇ。そのワンピース、地味かと思ったけど形がキレイだな」


荒神さんが軽口を交えつつ褒める。
私は赤くならないように表情を引き締めながら、彼を見上げた。


「地味でスミマセン。なにせアラサーなもんで、派手な色使いは控えてます」


「形がキレイってほめただろ?望月の細い腰のラインがよくわかってイイよ」


荒神さんはニヤニヤ言って、私の横に立つと腰に手を回した。まるでカップルみたいに。
そして、私の背中から腰をさわさわっと撫でる。


「もう少しふっくらしてくれても、エロくていいけど。どう?」


「セクハラ!!」


私は荒神さんの手をばちんと叩き落した。
荒神さんはちっともめげずに声をあげて笑っている。

なんだよ、いつもの荒神さんだ。でも、無性にドキドキするのはここがちょっとラグジュアリーな空間だから?私、雰囲気に負けてるかも。
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