秘密が始まっちゃいました。
「でも、先に言っとけばよかったか。望月にヒールはかせちゃったもんな。小型船よりは揺れないけど、危ないから」


「あ……ありがとうございます」


なに、もうこのイケメンは。
一体、何人にこの手を使ってるんだろう。

私は荒神さんに手を引かれ、クルーザーに足を踏み入れた。

100人くらい収容できそうな大型クルーザーは二階建てで、中はバーのような暗めの照明と、黒を基調にしたスタイリッシュな内装になっている。

私たち以外はみんなカップルで、10組ほどの男女が各々場所を占め、静かな時間を過ごしていた。
どうやら、人数を制限して、個室感やラグジュアリー感を出しているらしい。

こりゃ、やっぱりイイお値段しちやったんじゃないの?
……なんて、そんなことが気にかかる。
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